奈洲語講座 文法(1) 動詞
奈洲語の動詞
奈洲語の動詞の格変化は2種類しかありません。否定格は、ほとんど出てきません。
また、副詞、助動詞、接尾辞を使用することで時制などを表します。なお、奈洲語では動詞を文中にいくつでも置くことができます。
奈洲語の助動詞
奈洲語には、以下の助動詞があります。
奈洲語の助動詞は、未来形の場合のみ複数重ねて使うことができます。その場合は、必ず「kisi→助動詞2」の順番となります。肯定系と否定形を同時に使うことは出来ません。
否定格
動詞の否定格は、動作動詞の原形格に接尾辞「tte」を付け足します。これは、その動詞の表す動作と反対の意味を表します。主に未来形で使用されます。後述の否定形とは使い方が異なるので、注意してください。
Hit'ko sonye-täma kisi wawa bentte.(彼の学校の単位はとどまるようです。→彼は留年するようです。)
現在形
動詞の現在形は、動詞の原形格を使用します。
It' koresuntte e Isora Nasu.(私は奈洲島に住んでいます。)
現在進行形
動詞の現在進行形は、動詞の原形格または否定格に接尾辞「sö」を付け足します。
Nit' attesö rantte ši?(あなたは今昼食を食べていますか?)
ただし、状態動詞(「koresuntte(住む・住んでいる)」「pyona(左右される)」など)は現在進行形にすることができません。
過去形
動詞の過去形は、動詞の原形格または否定格に接尾辞「sü」を付け足します。
Hit'en kokkosü e Isora Šyešyu e Köre.(彼らは韓国の済州島に行きました。)
完了形
動詞の完了形は、状況によって変化します。
- 経験を表すときは動詞の過去形の前または否定格の過去形に副詞「re」を置きます。
- 既に起こったことを表すときは動詞の過去形または否定格の過去形の前に副詞「ara」を置きます。
- ちょうど起こったことを表すときは動詞の過去形または否定格の過去形の前に副詞「aro」を置きます。
- 継続を表すときは動詞の原形格または否定格の前に助動詞「aru」を置きます。
It' re kokkosü e Amerika.(私はアメリカに行ったことがあります。)
Torëne ara kokkosü.(電車は既に行ってしまいました。)
It' aro koma e tsi.(私はちょうどここへ来たところです。)
Hit' aru koresuntte e Yabone pöre 30-Yö.(彼は日本に30年間住んでいます。)
未来形
動詞の未来形は、動詞の原形格または否定格の前に助動詞「kisi」を置きます。
Sit' kisi tsiriette e 8-Si.(彼女は8時に起きるでしょう。)
否定形
動詞の否定形は、時制に関わらず動詞に接尾辞「tte」を付け足します。ただし、助動詞が来る場合は助動詞に「tte」を付け足し、動詞は原形格のままにします。また、否定格を否定形にすることは出来ません。
It' kokkosütte itsi.(私はそこに行きませんでした。)
Nit' kisitte bikku!(君は勝たないでしょう!→慣:負けるもんか!)
なお、この否定形の「tte」は、名詞、接続詞、感動詞以外の単語全てに付け足すことが可能です。
命令形
奈洲語の命令形には、敬体命令、強制命令の2種類があります。
敬体命令
「~してください。」というような丁寧な命令です。動詞の原形格または否定格で文章を始めます。
Atte tsi powason.(この魚を食べてください。)
「~しないでください。」というような禁止の敬体命令は、動詞の否定形で文章を始めます。禁止の敬体命令では動詞の否定格を使うことができません。
Attette tsi powason.(この魚を食べないでください。)
強制命令
「~しなさい。」というような直接的な命令です。動詞の原形格または否定格の前に助動詞「kott」を置き、助動詞で文章を始めます。
Kott atte tsi powason.(この魚を食べなさい。)
「~するな。」というような禁止の強制命令は、動詞の原形格または否定格の前に助動詞「kote」を置き、助動詞で文章を始めます。
Kote atte tsi powason.(この魚を食べるな。)
義務
義務を表すときは、助動詞「kott」を主語と動詞の原形格の間に置きます。
It'en kott soibe šyusitsi.(私たちは法律を守らなければなりません。)
義務でないときは、助動詞「kote」を主語と動詞の原形格の間に置きます。
It'en kote atte tsi.(私たちはこれを食べなくても良いです。)
願望
名詞の願望を表すときは、動詞「koikku」を使います。
Sit' koikku dö.(彼女は犬を欲しがっています。)
動作の願望を表すときは、助動詞「sipan」を主語と動詞の原形格の間に置きます。
It' sipan kokko Isora Guam.(私はグアム島に行ってみたいです。)
目的語への願望を表すときは「S koikku O V.」とします。
It' koikku Hit' atte tsi.(私は彼にこれを食べて欲しいです。)
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